2013/07/24

続・石垣島紀行

2.泡盛の話

山猫という酒

花酒「山猫」60度・崎元酒造所
八重山を語る上で欠かせないものの一つに「泡盛」がある。現在、沖縄県内だけで五十余りの酒造所があり、一つの酒造所が最低でも数種類、多くは10種類以上を製造していることから、その種類は少なく見積もっても数百はあるだろう。

泡盛は言わずと知れた蒸留酒で、あるが、幾つかの特徴がある。簡潔には…

  • 長粒種を使う
  • 黒麹仕込である
  • 熟成により味わいが増す

写真のラベルは、与那国島にある崎元酒造所の限定銘柄「山猫」である。これは、同酒造所の主力銘柄である「与那国」を基調とした、まろやかで味わい深い一品だ。実は我が家には、古酒熟成用にもう一瓶寝かせてある。2011年夏仕込なので、来年の夏頃から飲み頃になってゆくだろう…

背景にチラチラ見えるのは、この晩の宴の肴、ゆし豆腐、グルクンの唐揚げなど、隣室から聞こえて来る三線の音をBGMに、ゆっくりと八重山の夜は更けてゆく…

2013/07/20

石垣島紀行

1.南ぬ島へ

平久保崎灯台 石垣島のほぼ最北端に建つ

2013年6月23日:

この日を選んだのは、特別な理由があったわけではなかった。でも特別な日だった、この土地に生きとし生ける人たちにとって永遠に忘れられることのない日である「沖縄県慰霊の日」を奇しくも僕らは選んでしまった。


この日のことを知ったのは、旅行手配から大分経った後だった。僕と女房は「この日は海に近づくことなく海を想い海に眠る人達の安息を妨げぬよう配慮しよう」と語り合った。

琉球の信仰に「ニライカナイ」という概念がある。これは理想郷信仰の一つと考えられ、その場所は東方の海の彼方、或いは海の底ともされる。神はニライカナイに住まい、生者はニライカナイよりやって来て、死後はニライカナイへ帰るという。
このような信仰を持つ地域において、慰霊は即ち海への祈りを意味する。この日は特に海を穢すことを慎もう、そして海を照らす月に祈ろう…これが僕らの約束だった。

石垣島空港は、今年4月に新空港が完成し、その名は「南ぬ島(ぱいぬしま)空港」となった。空港に降り立った僕らを待ち受けていたのは猛烈な暑さと湿度だった。若かりし頃、世界中を旅した僕らは「成田が一番蒸し暑い、世界中どこから帰ってきても、成田に降り立った時が一番不愉快になる(笑)」こう思っていたが、この日の南ぬ島は、おそらく僕らが経験した中で、最も暑く最も厳しい纏わり付くような暑さだった。
空港から宿まで…正直、バスの運転手の運転が荒っぽかった以外はよく覚えていない。薄暗いビジネスホテルようの宿にチェックインして、食事処を探して彷徨き回る僕らに無慈悲な残照が畳み掛ける。

結局、宿から一番近い、寂れた感じの居酒屋に転がり込んだ。
水車小屋 と看板のあるこの居酒屋は、寂れた外見とは違って、なかなかに活気のある店だった。おそらくは、一人二人で賄っているのだろう…料理の出てくるのも早いとはいえないが、一品一品丁寧に土地の素材で造られている様子が感じられた。

初めの一杯はニライカナイに
次の一杯は彼の地に眠る人々に
最後の一杯は我々の海の安全に

ゆっくりと時間が溶けるように流れ、宿に帰った僕らは泥のような眠りについた…
セーイカ(ソデイカ)の刺身(390円)

2013/05/23

ガビチョウ(画眉鳥)騒動


スズメ目>チメドリ科>ガビチョウ属
Garrulax canorus(Linnaeus, 1758)
Tv=1/200, Av=6.3, 300mm(APS-C), ISO=400

※↑クリックで大きな画像をご覧いただけます
ちなみに この鳥は こんな声→[wmv]/[mp3]

昼下がり「窓の外で妙な鳥の声がする」と家人が騒ぎ出した。
ルリビタキとは違う、ミソサザイやビンズイの類よりは太そうだ…
「サンコウチョウじゃないかな?」と僕、

そうこうしているうちに鳴き声は長く雄弁になった。どうやら、川側の窓に近づいてきたようだ。簾をそっと捲った僕の目に飛び込んできたのは、写真の如く、見たこともないウグイス色の、ムクドリかヒヨドリくらいの大きさの奇妙な鳥だった。
「望遠(レンズ)持ってきて!」と僕、
咄嗟の出来事にオロオロする家人をみて、自分から防湿庫を探る。

レンズは使い慣れたTAMRON 28-300、ボディはお馴染みの CANON EOS 20D だが、一眼レフそのものを1年以上触ってない。ピンをAFに、モードを絞り優先に変えてシャッターを切る。日頃、猫撮りで連写モードになっていたのが幸いして、まったく操作方法を忘れていた僕でもT側いっぱい(300 mm※APS-C : 35 mm換算で、約480 mm)で、どうにか写真に収めることができた。

2013/03/21

勧酒

勧君金屈巵
満酌不須辞
花発多風雨
人生別離足
(句:于武陵)

コノサカズキヲ受ケテクレ
ドウゾナミナミツガシテオクレ
ハナニアラシノタトエモアルゾ
サヨナラダケガ人生ダ
(訳:井伏鱒二)

2013/02/17

福島にて

各位

昨年(2012年)暮れより、福島県いわき市に単身赴任しておりますが、業務の事情で、現場では写真を撮ることが出来ず、スナップ写真家としてはストレスの溜まりまくる毎日であり、また休暇も限られ、入れる海もないため、しばらくは潜水&撮影活動を縮小せざるを得なくなりました…

その代わりと言ってはなんですが、限られた時間を有効利用すべく、食べログに専用レビューページ「みゅう@南熱海の美味しいウワサ」を開設(勝手に出来ちゃうだけなんですけど;)しました。
http://u.tabelog.com/myugourmet/

いわきは、東北とは思えないほど温暖で、冬は熱海よりずっと過ごしやすいです。首都圏からのアプローチもよく、福島県の観光拠点としてもおすすめできると思います。
僕にできること、まずは…

食べて(呑んで)応援!

なのです。今後とも、ご贔屓に…

by みゅう@南熱海